2012年8月17日更新
エネルギー・環境戦略の選択肢に対する
討論型世論調査(Deliberative poll/DP)を
応用した調査結果について
エネルギー・環境戦略 市民討議 実行委員会(以下、「実行委員会」と言う)では、8月12日(日)に川崎市民57名(選挙人名簿による3,000名の無作為抽出から参加意向をいただいた方)を参加者とした討論イベントを開催しました。
7月上旬に実施した世論調査と、上記の情報提供・討論イベントを組み合わせた討論型世論調査(Deliberative poll/DP)の手法を応用した調査の結果がまとまりましたので公表します。
この結果は、エネルギー・環境戦略の選択肢に対する国民の代表的な意見の一つとして、本日(8月17日)、柳下正治実行委員長名(上智大学大学院 地球環境学研究科 教授)で政府に届けました。
1.調査結果の政府への提出
無作為抽出した川崎市民(20歳以上)3,000名を対象にした世論調査と、さらにその中から討論イベントに参加した57名に対するアンケート調査の結果を取りまとめ、8月17日に柳下正治実行委員長名で政府(国家戦略室)に提出しました。
●報告書(速報版)PDF
2.調査結果の概要
(1)世論調査について
7月上旬に、無作為抽出した川崎市民(20歳以上)3,000名を対象に世論調査(T1)を実施し、670名(回答率23%)から回答を得ました。
(2)討論イベントについて
討論イベント参加者には、8月初旬に討議資料「市民の選択 エネルギー・環境戦略 3つのシナリオ」(作成:実行委員会)を送付して事前に資料を読み込んでいただき討論イベントを開催しました。
日時 | 8月12日(日)9時45分~18時 |
会場 | 上智大学四谷キャンパス12号館 |
参加者 | 57名(男性38名、女性19名) |
参加者の年齢構成
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
11名 | 10名 | 9名 | 10名 | 12名 | 5名 |
*23歳から78歳まで、各年齢層からほぼ均等に参加がありました。
スケジュール:参加者を6つのグループに分け、グループ討議と専門家への質問を2回実施。開会時アンケート(T2)と、終了時アンケート(T3)への記入を依頼した。
(3)報告書(別添資料参照)
▼構成
はじめに
1. エネルギー・環境戦略 市民討議について
2. 「エネルギー・環境戦略 市民討議」の実施概要
3. 討議イベントの実施
4. 調査結果
(1) エネルギー・環境戦略を考える上で重視する視点
(2) 原発依存度低減に対する考え方
(3) エネルギー・環境の選択に関わる諸課題
(放射性廃棄物処理問題、地球温暖化問題、コスト負担等)
(4) 3つのシナリオの選択
(5) その他
5.まとめ
3.その他
今後、今回のエネルギー・環境戦略 市民討議の結果をさらに分析・評価するとともに、晩秋を目途に、エネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論に対する振り返りのシンポジウムを計画しています。
民意の反映のためには、国などが設営する意見聴取の場に国民・市民が積極的に参加することが大切です。しかし、それにとどまらず、民間において信頼・信用を寄せられている主体を中心に、国民・市民が専門家等と連携・協働することによって民意を形成し、その結果を政策形成過程に届けていくことが可能と考えます。
今回の市民討議の実践が、重要な社会的課題に対して、市民社会が自発的に民意づくりの場を設け、討議を行い、その結果を国や社会に向けて提案・提言をしていく方法を我が国に定着させるきっかけになることを念願しています。